フッ素素材の適切な使用

ゴア ファブリクスの「環境への影響に懸念のある PFC の削減に関するロードマップ」

 

高い耐久性と機能性を維持しつつ、一般消費者向けファブリクス製品の環境フットプリントを最小限にするためのたゆまぬ努力の一環として、ゴア ファブリクスは自社製品のライフサイクルから環境への影響に懸念のある PFC の削減という目標を設定しました。

ゴア ファブリクスは、一般消費者向けファブリクス製品から環境への影響に懸念のある PFC を削減することを目指します。これは、ライフサイクル全体を通じて製品の環境フットプリントを継続的に改善していくという長期的な取り組みにおいて、重要なマイルストーンとなります。先進的、革新的プログラムを実施することにより、ゴアは、耐久撥水(DWR)加工とメンブレン製造工程を2段階 PFC 削減プロジェクトとして取り組んでいます。

  • 2020年までに一般消費者向けに出荷される最終製品(ジャケット、靴、グローブ、アクセサリー)の約85%相当分のラミネートから、環境への影響に懸念のある PFC を除去します。
  • 2021年から2023年の間に、エンドユーザーの求める性能要件を満たす製品の販売を続けつつ、残りの一般消費者向け最終製のラミネートからも PFC を除去します。

これらの目標を達成するためのゴア ファブリクスが本格的に取り組むイノベーションには、サプライヤーと協力して新しい DWR 加工を開発すること、および PTFE を製造する際に助剤として使われている環境への影響に懸念のある PFC を除去する計画が含まれています。

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Christian Langer

私達は今後も高い技術性能とサステナビリティを最適な形で両立させたアウトドア製品を提供し続けます。一般消費者向けの全製品から、環境への影響に懸念のあるPFCを除去するという、大胆な目標を立てたことにより、ゴア製品の環境に対する影響を今後何十年にもわたり継続して改善していくという決意を新たにしています。サプライヤーの皆さんと共に、新しい DWR 加工とメンブレン素材の開発も含めた製品開発を積極的に進めて、目標達成を目指すつもりです。

- Christian Langer、ファブリクス ディビジョン リーダーシップチーム

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PFC について

PFC(パーフルオロ化合物)という言葉には、共通の確立された定義がありません。PFAS(パーフルオロアルキルスルホン酸類)と同様、幅広い物性と固有の特徴を持ったフッ素化合物の総称です。そのため、PFC について何かを語る際には、どのような種類のPFCもしくは PFCのグループを指しているのかを特定することが重要になります。

ゴアは、ある種の PFC 類を環境への影響に懸念のある物質として指定しました。この 環境への影響に懸念のある PFC 類 は、過フッ素化合物であり、生体内に吸収されるほど小さいサイズで、残留性の高いものです。環境への影響に懸念のある PFC すべてが有害というわけではありません。しかしながら、水系に広く拡散し、何世代にわたって残存し続けるおそれがあります。この理由から、ゴア ファブリクスは、一般消費者向け製品のライフサイクルから、環境への影響に懸念のある PFC を除去するという目標を設定しました。

PTFE は環境への影響に懸念のある PFC ではありません。PTFE は環境に対して健全かつ安全です。このフッ素ポリマーは安定性が高く、分子が大きいため生体内には吸収されず、水に溶けず、自然界で分解しません。したがって、PTFE は環境への影響に懸念のある PFC ではなく、また PFC に分解、転換されることもありません。

耐久撥水(DWR)加工

耐久撥水(DWR)加工

GORE-TEX® ウェアの生地には、撥水性ポリマーを使った DWR と呼ばれる非常に薄い加工が施されています。DWR は一番外側である表生地の表面に塗布します。DWR は繊維に浸透し、生地の表面張力を低下させます。それにより水は水玉状になり、生地の表面を転がり落ちます。

撥水性が失われると、ユーザーは不快に感じます。適切な体温を維持できなくなる場合があり、その結果、集中力や耐久力に影響がでる可能性があります。また、ユーザーによっては防水性が失われたと感じます。そうなると、これらの製品はもう使えないものと判断され、新しい製品に買い替えられてしまうかもしれません。つまり、DWR が機能しないと、結果的に、ジャケットの環境負荷を増大しかねません。こうした考察は、ゴアが2016年に公表したライフサイクルアセスメント(LCA)で確認されています。

ゴアが現在 DWR に使用している物質は、責任をもって製造されておりエンドユーザーにも環境にも安全です。ゴア ファブリクスは、米国環境保護局(EPA)による厳しい審査に合格し、欧州、日本および中国での使用認可を受け、ノルウェー製品規格に適合した素材のみを使用しています。

2016年、ゴアは新しい耐久撥水(DWR)加工を提供する計画を発表しました。DWR の新工程から環境への影響に懸念のあるPFCを除去します。新しい撥水剤は、一般的なアウトドア活動や現在使われている短鎖 PFC 系撥水剤が持つ性能や耐久性能をそこまで必要としない活動(日中のハイキングやリフト利用のスキー)のエンドユーザー向けにデザインされます。新しい加工を施した初の製品は、2018年秋冬シーズンからの店頭に並ぶ予定です。

将来の撥水への研究について詳しくはこちら (英文)

ePTFE メンブレン

ePTFE メンブレン

GORE-TEX® ファブリクスの心臓部は、防水耐久性、防風性、透湿性を兼ね備えた非常に薄い膜です。ゴア ファブリクスはこの膜に延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を使用しています。

PTFE はフッ素ポリマーです。固有の特徴を持つフッ素ポリマーは、高機能製品を実現する上で非常に貴重な素材です。たとえば、フッ素ポリマーを使用すると、製品の耐久性が増進され、寿命が長くなり、環境フットプリントが低減します。フッ素ポリマーは、撥水・撥油加工のフッ素化合物とは異なる、別個の高機能可塑性物質です。

このフッ素ポリマーは、不活性で、水に溶けず、非常に安定しており、生物による分解はありません。したがって、環境への影響に懸念のある PFC の元にはなりません。

Bernhard Kiehl

PTFE と環境への影響に懸念のある PFC との違いがはっきりすれば、懸念のある素材と安全な素材をどう見分けたらいいのかという長年のあいまいさから開放されます。厳密で正確な定義があれば、アウトドア業界においても明確な定義付けができるだけではなく、ゴアやゴアのお客様が、より持続可能な技術革新を提供していく道を作りやすくなります。

- Bernhard Kiehl、ゴア ファブリクス サステナビリティ リーダー

ePTFE のヒストリー

ePTFE のヒストリー

ボブ・ゴアが、ある条件下で PTFE を急速に延伸させたことがきっかけとなり、「延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン (ePTFE)」が誕生。低吸水性や優れた風化特性を含む、多くの素晴らしい特性を兼ね備えた非常に強靭な微孔性材料の発明でした。1970年、ゴアの特長であるポリマー、ePTFE で製造された GORE-TEX® プロダクトが有する多くの特許のうち、第1号となる特許申請を行いました。

よくある質問

レスポンシビリティーに関するその他のトピック

プロダクト スチュワードシップ

自社製品の高い品質と安全性を保証するために、ゴア ファブリクスは bluesign® standard と OEKO-TEX® Standard 100 とパートナーシップを確立しています。

フッ素素材の適切な使用

フッ素素材は幅広い物性と固有の特徴を持っており、その多くが産業用途や食品用途に使われています。

社会的責任

ゴアの全員が取引先、お客様、株主、及び当社アソシエート(従業員)に対応する際、あらゆる関係において誠実であることが求められています。